台風が近づいている。
10月もそろそろ終わろうかという頃に台風が来るなんて、やっぱり今年の気候はおかしくて調子が狂ってしまう。
ある葬儀屋さんから聞いた話だけど、台風が来ると死者が増えるらしい。台風の強風や豪雨といった直接の影響ではなく、長年患っている人や高齢の人が台風の接近を機に息を引き取るのだそうだ。気圧の急激な変化が関係しているのかもしれない。
他によく言われるのが急に寒くなると葬儀屋は忙しくなる、ということ。これもよく考えてみると不思議だ。もちろん温度の変化で血管や心臓系のトラブルが増えて急死する人が増えるのだろうけど、その他にも長く入院している人もたくさん亡くなるらしい。病院の中は温度や湿度が年間を通して一定しているはずで、外気温の変化はあまり関係ないはずだ。それでも寒くなると入院患者が多く亡くなる。
やはり人間も自然の一部なんだろう。春には花が咲き、秋には葉が落ちる。なにか目に見えない力に押されたり引っ張られたりしながら生きている。
今日は冬のような寒さだった。
来週はきっと忙しくなる。
20101119
目が覚めてボンヤリした頭のままで、燃えるゴミを捨てるために外へでた。鼻の奥がツンとする。冬の匂いだ。空の色が薄い。掃除をしていた大家さんに挨拶をする。大家さんはいつも穏やかな笑顔だ。
きのう買っておいたチョコパンをカジりながらツイッターのタイムラインをぼんやり眺める。みんなも起き出したようだ。後ろでゴソゴソ音がする。ムジャも起きた。部屋の隅で目覚めのオシッコをしている。そこはトイレじゃないよ。
軽くシャワーを浴びる。やっと頭が動き始める。布団を畳んで、ゆうべウイスキーを飲んだロックグラスとパン皿を洗う。ムジャの家を掃除して水を入れ替えてやる。スーツに着替えて仕事道具の確認、よし。ムジャに「いってきます」のハグ、ムジャから「いってらっしゃい」のキック。
天気がいいし今日の現場はそう遠くないから、自転車で通勤することにする。一定の速度でペダルを踏む。体の火照りと風の冷たさのバランスがいい。一瞬、花の香りがした。あの花の名前、なんだっけ。
仕事場につく。この仕事は始めてまだ一年くらい。たいして役に立てないから、せめて誰よりも動く、誰よりもアンテナをはる。自分と同年代の男性の葬儀だった。遺族の悲しみが強い。喪主はまだ若い夫人。たくさんの会葬者に挨拶をしてまわっている。仕事をしながら感情をコントロールすることが難しい。
残業を30分して朝と同じ道を自転車で帰る。月が高い。そろそろマフラーが欲しい。スーパーによってヨーグルトと卵とチョコレートと蕎麦とバナナを買う。会計は1000円ちょっと。クレジットカードで払う。
帰宅。ムジャを起こさないようにそっと部屋にはいる。スーツをハンガーにかけ、スーパーで買ったものを棚や冷凍庫へおさめる。熱めにいれた風呂にゆっくりとつかる。しっかり暖まってからワイシャツを手洗いする。襟と袖口の汚れがとれにくい。
風呂上がりにソーダを少しいれたウォッカのロックを飲む。肌が乾燥してかゆい。ワセリンをペタペタ塗る。二杯目のウォッカのロックを持ってムジャのいる部屋へ。起きていた。暗闇からジッとこっちを見ている。ゲージの戸をあけると飛び出してきて遊びの催促。仰向けにして脇をくすぐってやる。クククッ、と鳴く。寒くなってきてからムジャが元気だ。
パソコンを立ち上げニュースをチェックする。人身事故があったり、殺人の判決がでたり、政治家が何かをごまかしたり。今日もいつもどおりの一日だったらしい。グーグルリーダーを開く。いくつかのブログが更新されている。最近知り合った人の日記がおもしろい。淡々と日常のことを綴ってある。こういう日記が書けるようになりたい。今度この人をコーヒーにでも誘ってみよう。
ツイッターのタイムラインを眺める。誰かがust配信を始めたようだ。「だだ漏れ」が結局一番おもしろい気がする。ustがもっと流行ってみんな「だだ漏れ」やればいいのに。
やらなくちゃいけない事をおもいだした。Line展まであとわずか。事務的なことはできるだけ早いうちにやっつけよう。メール着信、古い友達が結婚するらしい。パーティは広島。行けるかな、みんなに会いたいな。
ムジャが足をひっかく。「もう寝ようよ」と言っている。残りの作業は明日にまわそうか。もう眠いな。グラスに残ったウォッカを飲み干す。
たとえばこんな一日。